第2章 『Trade 9→2 』菅原
それから、お互いの仕事の合間を縫っては夕食を共にする日々が続いた。
最初は昔と変わらず、俺の一方通行な感じで俺ばかりが誘いのメッセージを送っていたのだけど、結構な回数のデートを重ね、再会から半年ほどが経ったときのこと。
再会して初めて、の方からメッセージが来た。
“今夜は空いてますか?”
それを読んだら、もう思わず、よっしゃあ!と、声を出してしまいそうになった。
予定なんて入ってなかったし、そもそも入ってたとしてもそんなのキャンセルするに決まってんじゃん。
から、誘ってくれるなんて。
ずっと追いかけてきた彼女に、少しだけ手が届きそうな実感があった。