第1章 『Trade 2→9 』影山
長いキスのあとでは、俺がの服のボタンに手をかけたことに気付いたらしく、焦って声をかけてくる。
「ちょ、ちょっと影山くん!さすがにそれはまだ早い……!」
「うるせえ、ここまで来て我慢できるかよ。」
「や、やだ!こういうの久しぶりだから恥ずかしい……!」
そう言っては身をよじって俺の腕から逃れようとする。
お前、ほんと懲りねえな。
昔も今も、はいつも俺から逃げようとする。
だけど、逃げられるわけねえだろ。
その証拠に、今だって数年越しでお前を捕まえた。
一度手に入れたんだから、俺はもう一生、お前を離す気は無えよ。
そんな想いを、照れくさいから言葉にこそしないけど。
キスで、指先で、俺の熱で感じさせてやる。
「好きだ……」
「影山くん……」
無意識のうちに滑り出た言葉に、は惚けた顔をしたあと、照れたような笑顔を見せる。
そして呟いた。
「ありがとう……影山くんは、やっぱり一途だね。そういうところにも、ずっと憧れてた…」
その後は、俺から与えられる熱を、は抵抗せずに受け入れてくれた。
初めて会ったあの日から、そして、これからもずっと
俺はのことが、好きなんだと思う。
そんなことを考えながら、俺は夢にまで見たの体に溺れていった。