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NIGHTMARE【うたプリ】

第2章 望まぬ再会



その空白の時間は、ハルカにとって苦しいものだった。


「…お義姉さまは、一時期村から排除されようとしていたそうです。お父様に聞きました」

「なっ…?!」


答えない義姉の代わりに答えたノエルの言葉に、マサフェリーが驚愕の声を上げる。
ウォーレンも声こそ出さなかったものの、衝撃を受けていることはその表情から容易に読み取れた。

守るために、幸せになってもらうために下した決断。
それがもたらしたものが、苦しみだったのか。


「マサフェリー…お兄様が亡くなったとお義姉さまから聞いた村人は、思ったそうです。お義姉さまが、お兄様を見捨てて逃げてきたのだと」

「……!!」

「誰からも慕われ、次期村長に申し分なかったお兄様を喪ってしまった村人に冷静な思考はありませんでした。お義姉さまはただ、罵倒を浴び続けるしか出来なかった」

「なぜ…っ!?真実を告げれば良かったではないか、俺は…お前を守るために…!!」


マサフェリーの悲痛な声を聞くと、ハルカは初めて苦しそうに表情を歪めた。
静かに首を振り、拳を握り。


「それでも、事実は変わらないと思いました。私のせいで、あなたは村を離れざるを得なかった。私が見捨てたというわけじゃないと、どうして言えたでしょう」


吸血鬼になる選択をしたマサフェリー。その理由は自分。
村人たちが言ったように、彼を見捨てたのではないと本当に言いきれるのか。
ハルカは悩んで、苦しんで、一時は村を出ていく決意を固めていた。


「…でも、それを助けて下さったのが、お義父様だったんです」
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