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蒼い恋

第7章 習得



「貴方、姿勢が崩れていますよ

もっと胸を張りなさい」

「はいっ!!」

私はお腹に力を入れ、姿勢を精一杯正す

目の前には氷のように冷たく厳しいレイジさんが居る

私はレイジさんに夜会に出るための基本的な作法を教わっていた

彼等は貴族のようなもの....やはりそれ相応の嗜みは必要なようで、シュウがレイジさんに

『こいつを人前に出せるような女に教育しろ』

とお願いしたのがきっかけで、私は立ち居振る舞いから挨拶の仕方まで指導されていた

レイジさんは渋々受け入れた感じだったけれど彼は教える事が得意なようで、たった数時間で私は自然と慣れることが出来た

「貴方、そこはこちらの手を出すのです

何度言えばわかるのですか」

「っ!!すみません」

もちろんまだまだ完璧には程遠いが....

「はぁ....少し休憩しましょう」

そうレイジさんが言うと私は少し申し訳なく身を縮こませる

私が一息ついている間にレイジさんはレモンティーを入れてくれた

「どうぞ。私が特別に入れたのですから味わってお飲みなさい」

カップからは甘酸っぱい香りが漂ってくる

「ありがとうございます」

紅茶を飲むレイジさんは絵になるほど完璧で私は彼に尊敬の眼差しを向ける

すると、そんなレイジさんがため息をついてカップを置く

「全く....シュウは何を考えているのでしょうか」

「?」

レイジはちらっと私を見る

「貴方もそう思いませんか....」

突然話を振られて私は反応が一瞬遅れる

「どうゆうことですか?」

レイジさんは私の応対を見てあぁ、と納得する

「そうでしたね。貴方は半ば無理矢理ここへ連れてこられたのでしたか」

「っ!!」

私は図星で飲みかけたカップから口を離す

「....シュウも全く懲りないようですね」

レイジさんは呆れたように深くため息をつく

「なにか....あったんですか?」

私が不思議そうに問うと、レイジさんは一瞬考えるように私の目を見た

だが、彼はすぐ様目線を逸らし

「いいえ。なにも。

....それより、はやく再開しましょう
人間といえど、逆巻の名に泥を塗られては困りますから」

そう言ってレイジさんはせっせとカップを持って部屋から出ていった

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