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可愛いポケモンに囲まれて

第8章 不穏な影とジムリーダーたち


キンセツシティをあとにした俺は、カズミへと向かった。先程の話を聞いて、取り敢えず痕跡でも残っていたらと思ったのだ。カズミに着くと、なにやら騒がしかった。

「……どうされたんです?」

「いやね、野生のポケモンたちの様子がおかしくて」

町の人の言葉に俺は首をかしげながら様子を伺った。確かに変だ。このカズミはトキワの森の影響なのか虫ポケモンが多く生息している。しかし、今そのポケモンたちの姿はない。

「……あ、ちょっと!あんた危ないよ!」

俺は構わずどんどん先へと歩く。環境が変化したとしか思えない。彼らにとって住みにくい場となったのだろうか。

「………リザードン」

やはりそうか。最近不可解なことが多く、生息していないはずのポケモンが突然現れるのもそれの一つだった。俺が見た限りでも数十件ある。リザードンは異常に興奮し、俺に向かって突っ込んできた。

「……ヤルキモノ」

俺はこの戦闘をヤルキモノに任せ、先へと進んだ。リザードンだけなら虫ポケモン以外のポケモンたちまでもいないということはないだろう。そして、俺は彼らを見つけた。

「………」

野生のポケモンたちは1箇所に集まっていた。これだけ多くのポケモンたちを集めるのにはそれ相応の苦労が………

「ないか。ポロックだな」

しかし解せない。このような事をして首謀者は何をしたかったのだろうか。俺は一心不乱に食べ続けるポケモンたちを避けながら、ポロックを手に取った。水辺にも溶けかけのポロックが浮かんでいて、それにもポケモンたちは群がっている。

「…………エメラルドか」

ポロックの形を見て俺は理解した。あれ独特の形をしていたからだ。そして、水に浮いたポロックや、見たところ種類を問わず散らばっているところを見て………姿が見えない野生かまたは相手のポケモンを誘導させるためにばらまいたと考えて良いだろう。さらにこの地面の不自然な跡から考えると、どうやら後者のようだ。避けられない戦闘で、戦うことを嫌うあれはポケモンも人も傷つかない方法を選んだのだ。その相手は誰なのか……調べる必要があるな。
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