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可愛いポケモンに囲まれて

第8章 不穏な影とジムリーダーたち


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キンセツシティにて、偶然会った古くからの友人テッセンさんと、俺は久しぶりに話をしていた。

「ワッハハハ!! 流石お前さんの子供じゃ!!」

「笑い事ではありませんよ。あれはまだ世の中のことが分かってはいないんです」

「いやいや、子供ってのはそんなもんだと思うがの!! しかしながら、お前さんの目をくぐり抜けるだなんて、中々強く育っておるではないか!! ワッハッハ!!」

「ええ。ここまで外れるとなると、おそらく友人達と共に行動していると思われます。あれに協調性などないとばかり思っていましたが……」

そう言うと、テッセンさんはクククと笑った。よく笑う人だといつも思う。だが、彼の笑い声を不快だと思ったことはなかった。

「お前さんに似なくて良かったではないか!! ただでさえ、顔がお前さん似なのに、中身まで似てしまうと流石の奥さんも手を焼くじゃろう」

「そのようなことはありませんよ。あれは母親にそっくりです」

「フム。小さい頃に1回だけしか会ったことはないからなぁ。その時は、強い目をしておるなと思ったよ。あの子がどんなトレーナーになっておるか楽しみじゃ。おおっ、そうそう! ツヅジのお嬢さんを攻略したのは知っておるか? フフフッ!! 今日あたりにも私のところに来るかもなぁ!!」

「いやいや。それはオダマキ博士の所の娘さんのほうでして。今のあれにトレーナーとしての期待はできないのですよ」

「ほう。それは勿体ないな。何か理由でもあるのか?」

俺はその言葉にため息を一つついた。あれが家から出なくなり、ポケモンを戦わせるのを嫌うようになったあの頃。それは……ある出来事がきっかけだった。

「…………責任は私にあるのですがね」

しかし、今はそんな話をしている場合ではなかった。俺は話題を変えようと、不思議そうにこちらを見るテッサイさんの方を向いたのだった。
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