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可愛いポケモンに囲まれて

第7章 ハギ老人とムロタウン


「……ボスコドラ」

目を開けた時に最初に映ったのは落石から私たちを守ってくれたボスコドラの姿だった。サファイアを見ると、彼女のそばにはメタングが。どうやらダイゴの手持ちらしい。

「そう。僕の仲間だ。ありがとう。君たちは早くここから出た方がいい」

ダイゴは彼らをボールに戻すと、洞窟の外へ出た。私は何故か彼のあとを追い、後ろではルビーが慌ててサファイアを抱きかかえて付いてきた。

「………酷いことをする」

そう呟くダイゴ。洞窟から出た私はその光景に唖然とした。そこは私たちが先程までいた洞窟内と全く違ったからだ。そこらじゅう穴だらけ、地面には踏み荒らされた跡がある。そして何よりその場には人が数人いた。彼らはカズミで見た男と同じ赤色の模様が入った服を着ていた。確か……

「マグマ団……」

「マグマ団。それが奴らの名前だね。そうか。分かった」

そう言うダイゴの後ろ姿にゾクッとしたものが背中を伝わった。穏やかで少々胡散臭い印象を持った彼は、今や怒りを顕にし、それをマグマ団に向けていた。彼の手には小さな石が握られていた。私にはそれらの価値など分からないが、彼にとってそれは怒りを顕にするのに当然な価値を持っていたのだろう。

「なんだぁ?まだ人がいたのか」

マグマ団の1人がこちらに気づいた。ルビーがビクッと体を震えさせる。彼の反応も分かる。なぜなら今私たちの中で唯一まともに戦える彼女は夢の中なのだから。

「…………エメ。どうしよう」

「…………サファイアをたたき起こすしかないでしょ。ズズみずでっぽう」

ぷーっと彼女の顔に水がかかったが、彼女は目を覚ます気配もなかった。チャモもだ。二人ともすやすやと眠り心地。

「………お前ら、何サボってんだ」

マグマ団5人はその方向を見た。そして現れた一人の名前を呟いた。





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