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可愛いポケモンに囲まれて

第7章 ハギ老人とムロタウン


サファイアを見つけた。洞窟の中に更に洞窟があり、そこに男と一緒にいた。しかもサファイアは意識がない。その状況に一番最初に反応したのはルビーだった。

「サファイアになにをする! 」

ルビーは男に向かって走ろうとしたので、私は彼の服を引っ張ってそれを止めた。いきなり敵に策もなく突っ込むのは危ない。相手は大人だし、かつポケモンも連れている。

「あくび……ですか。随分荒っぽい真似をするんですね」

私は相手の隙を伺うために、話しかけた。

「突然襲いかかってきたから、てっきり野生のポケモンかと思って。この辺りで暴れられるのは好きじゃない。でも、君たちの友達だったのかい?悪いことをした」

男は申し訳なさそうに微笑んだ。確かにサファイアだったらやりかねない。ルビーも男に悪気があった訳では無いと言うことがわかり、落ち着きを取り戻していった。

「僕はダイゴ。珍しい石に興味があってね。ここはとてもいい石が多いんだ」

石の採集が趣味って………20代前半くらいの青年がすることではないような……

「君たちはポケモントレーナーかい?」

ダイゴの言葉に私たちは顔を見合わせた。

「あ……えっと、ポケモントレーナーなのはそっちで眠りこけているサファイアだけで、僕達は別に………」

ルビーがそう答えると、ダイゴは笑った。

「そうなのかい?中々強そうな雰囲気だけど……」

チラッと見定めるような目でこちらを見るダイゴ。この人がただものではないことは最初この洞窟に足を踏み入れた時から分かっていた。ただならぬ雰囲気、私たちが入った瞬間の警戒、それに手持ちのポケモンが何より鍛えられている。並のトレーナーが出来ることではない。

「そういうあなたは? 」

私はダイゴに聞いた。

「コレクター? それともトレーナー?」

「…………どちらともかな。そういう君は?ポケモントレーナーではないと言うけど、君のソレはまさしく………」

「ニート」

私は彼の言葉を遮った。彼が何を言おうとしたかは分からないけど、私にとってあまりいいことではないような言葉なのは分かったから。



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