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可愛いポケモンに囲まれて

第3章 家出決行


「………んで、なんであんたがいるの?」

母がベッドに入ったので、気配を消して家を出ると、待ち構えたようにルビーがいた。リュックサックを持って。

「……僕も行くよ。だって2人だけじゃ不安なんだもん」

「……私はあんたが叫んで、この計画がおじゃんになっちゃうことが不安なんだけど……まあいっか。サファイヤはもう行ったんでしょ? せっかちだからなぁあの子」

サファイヤが捕まらなかったから、こいつは私を待っていたわけで。つまり1人では草むらの中に入りたくないのだ。

「……ほんと元気だよね。父さんのフィールドワーク行ってそのままお風呂入って行ったんだよ。信じられない体力だよ」

「同じ遺伝子なんだからあんたも1日中フィールドワークしとけばああなれるって」

とかなんとか会話しながら、私たちは村を出た。ルビーは惜しむように後ろを振り返っていたけど、私はさっさと村を出る。

「…ねぇ、えなをボールに戻してくれない? ちょっと僕苦手で……」

「いいけど、えなのいかくのおかげで野生のポケモン来づらくなってるんだけど。ボールに戻したら襲ってくるよ」

えながうーっとうなると、

「ひっ! ご、ごめん!」

とビビるルビー。えな怒ると怖いけど、普段は優しいみんなのお姉さんなんだけどな。

「えな、たいあたり」

たまに出てくるハートが強い野生のポケモンを倒して、私たちははずれの村までたどり着くのだった。
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