第2章 出会い / カイト
「……クソッ、何だってんだこの国は」
前にジンさんが来たことあるって話してたのを思い出してやって来たが……なんつー国だ。
いきなり地震なんか起きやがって。
「おかげで来た道見失っちまったじゃねーか…」
しょうがない。
こんな山奥でも家の1つや2つ存在するだろう。
そこでしばらく過ごせるといいが……
「………なんてこった」
山奥なら被害はそこまでないと思っていたが…
目の前にあるのは崩れた村。
奥にも瓦礫に埋もれた寺が見える。
村人達も瓦礫の下敷きになっているが、みんな息がない。
あれだけの大きな地震だ。助かった者はいないだろう。
「こんなところにジンさんはいないな」
いたとしても既に別の場所へ消えているだろう。
しかし、この状況ではオレもすぐには移動できない。
「…あの寺が一番損傷が少ないか」
あそこなら少しでも野宿できる。
そう思って歩きだしたその時、
「………ん?」
崩れた寺の柱の下で動く何かが見えた。
あれは…………子供か?