• テキストサイズ

【ヘタリア】Jasper Green【短編集】

第18章 献身的な愛 南伊



「来んな……こんな姿お前に見られたくねぇ」

「ロヴィーノ…なんで、」

「ホントはよ、お前が来る前に飛び降りようとしたんだよ…でもな、怖くてさ。今よ今よってたじろいでたら馬鹿が来ちまったんだよちくしょーが」


心なしか、声が震えているように聞こえる。

ホントはそんな勇気もないくせに、強がって。

強がってるくせに自分を傷つけるんだ。どっちが馬鹿だよ。

俺には見せてくれないけど、きっとぐしゃぐしゃな顔で泣いてるはず。


「お前があえて話を聞かなかったの、知ってたぜ。俺に気を使ってたんだろ?
この際だから言ってやる、俺な、一年前からストーカーされてたんだよ。」


鉄格子を掴んでいたあいつの手に力がこもるのを見逃さなかった。


「最初は軽いノリでネットで絡んでた。俺が愚痴を呟く度に心配してくれて、いい奴だななんて思ってて。
そんでしばらく経った日に5万やるから会おうとか言われた。
流石にやばいって思ったけどトーニョも俺も金に困ってたから仕方なくそいつとあった。普通のチャラ男だったけどな。
その時はほんとに金だけ貰って映画とか見ただけで何ともなかった。」

「なんとも、無かったんだな?」

「まぁ、その時はな。
でも、数ヶ月後の朝に電車で痴漢された。
その場は何とか我慢して駅で降りる時に犯人の顔チラ見したら、そいつ本人だったんだ。
その日からずっと同じ奴に痴漢されてて、時間調整とかもしたけど全部駄目だった。」

「トーニョには言わなかったのか?」

「無駄な迷惑掛けたくねぇんだよ…。抵抗したら殺すとか言われたし、我慢するしか無かったんだ。
それから最近までずっと我慢して、何とか耐えてた。そしたらフェリシアーノが…犯された」

「は?」

「逆に抵抗しないのもつまんないからって弟にまで手を出しやがった。
もう止めろって直接そいつに会って話つけようとしたら『ヤらせてくれたらお前以外に手は出さない』って。勿論ほかの手はねーのかって聞いたぞ、まあ無理矢理犯されたけどな。
でも、それからパッタリ何も起きなくなったんだ。」


それでも話すロヴィーノの声はどこか怯えている。


「それで俺も気が緩んでて…、忘れた頃にやって来るってこの事だよな。
寝坊しちまって学校までの道を近道してたら手を掴まれて車に乗せられて…離れた道で、そのまま数人にレイプされた」
/ 146ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp