第12章 до свидания 露
更に震えているローナの脚の間に更に自分の片脚を
割入れ距離を詰める。
ローナの荒い息が更に近くなったのも、イヴァンのザディズムを擽った。
「おい…キスだけって…」
「キスだけ、とは言ってないでしょ?」
「っ~…」
自分のツメの甘さを悔しそうにイヴァンの太ももを抓りながら睨むローナを無視してシャツのボタンを外していく。
途中まで外して晒されたのは膨らみのかけた黒いタンクトップ。
「わーほんとに胸ないんだね、さすが自虐ネタにするだけあるね」
「っざけんな死ね」
「これならまだアルフレッドくんの方が胸あるんじゃない?」
デリカシーのない発言に傷つくより先にイライラが募り抓る力が強まる。
すると、
「ねぇ誰が抓っていいって言ったっけ?」
つい今までの声とは全く異なった音程。その冷たい声にローナの体はビクりと跳ねた。
「はぁっ…!?お前が変なことするからだろ骨太っ、っん…!」
ローナの股の間にイヴァンの膝が当ると、いつもの憎まれ口に余裕がなくなる。
俯きがちになったローナは、必死に声を出さないようにと手で口を押さえていた。
「ふふ、可愛い」
「ッ…」
「そんな睨まないでよ…ほんとに襲っちゃうよ?」
いたずらっぽい笑みを浮かべたイヴァンの手がタンクトップの下に入ろうとした、…その瞬間。
「ケセッ!?」
癖のある声となにかがおちる音が路地裏に響いた。
声に気づいた2人はその方向を向くと、銀髪の男が顔を真っ赤にしてその場に立ち尽くしているではないか。
軍服でありながら足元に本やらゲームやらが落ちてるあたり、きっと世界会議をサボって遊び呆けてたのだろう。
あとで遊びに誘おうと思っていたから暇であることが分かって良かったのだか、なにより今この場に現れるかギルベルトよ…。
「ぎ、ギル…」
「あー、ギルベルトくーんこんにちはー」
明らかに歓迎されてないこの状況にギルベルトは背筋が凍った。