第1章 運命の出会い
『大きいですね…”DARkandLIGHT"?』
「意味は闇と光だけどな
オレ達ホストの中では傷を抱えたり心を閉ざしたりしている奴らが多い
その人たちを明るく照らすのがトップの役割なんだ」
「紅は切ない目で見られると弱いタイプなんだよなぁ
小動物好きだし愛おしいと感じたらとことん愛情尽くすし
紅はいいやつだからたくさん甘えな!」
頭を優しく撫でられ初めて居場所ができたと感じた
両親はあまり俺に愛情を与えてくれなくてずっと孤独の中生きていくんだろうなと思った
でもここなら愛を知ることができるような気がする
「そういえばあの2人はどうした?
またホステスかキャバに行かされてるのか?」
「あの2人は女の子に捕まれてたからそうだと思う
そろそろ帰ってくるんじゃない?」
詩音さんが言ったその時、足音が聞こえた
一人は明らかに女のコなれしているような人でもう一人は不良さんかヤンキーさんだと思う
怖くなって思わず紅さんの後ろに隠れる
「お疲れ様でー…おっ?紅の後ろに隠れてる子誰?
すごくかっこいいなぁ」
「紅に懐く奴、初めて見たかもしれねぇ
って怖がってないか?」
「そりゃ、夏萌が元不良ヤンキーだったから怖がれるでしょ
あっ、俺は№3の政宗!よろしくな」
「んぁ?確かにそうだったけど今は普通だ!
俺は№4の夏萌だ」
『あ、あの!銀と言います
よろしくお願いします』
隠れながら自己紹介すると紅さんがニコッと笑ってくれた
「かっこいい名前だな!すごく気に入った!
もしよければオレたちのホストクラブに入らないか?
会員でもいいしホストになってもいい」
「相当気に入ったみたいだな
でももし、ホストになったらアレ、教えるのか?」
「あぁ…この子はきっと闇を抱えている
目でわかるからな
この子がどちらを選んでもオレが保護する」
「そうか…なぁ、どっちがいいか?」
拒否権がないことはわかったけど迷惑じゃないんだろうか?
そう思っても心の中ではもう決まっている
この先、どんなことがあってもこの人たちと一緒にいたい
そう願いを込めて俺は決心した
『俺、ホストになります』