第3章 風邪のキミ
今だけ、
それはどういう意味なのだろうか。
「38.2℃か、そんなに高くなかったね。」
自分の体温を計って玲音さんが言った。
「いやいや、十分しんどいはずですよ。」
「そう?」
「薬も買ってきたので飲んでくださいね。」
「ありがとう。」
私は薬と水を玲音さんに運ぶ。
「ごはんどうしますか?」
「食べようかな。」
「じゃあ作りますね。」
「お風呂も入りたい。」
「じゃあ、先に入ってきてください。その間に準備しますから。」
今までにない
予想もしていない展開だった。
まさかこんな事態になるとも思わなかったし、
こんなに玲音さんと接するとも考えてもみなかった。
会話するなんて無縁の関係だったのに……。
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