第6章 免許2
渋「お!ウィンカーちゃんと出してるやん!」
錦「ほぼ完璧やない??めっちゃノロノロ運転やけど!」
蒼生が発着点に戻ってきたことにより、渋谷と錦戸が盛り上がる。
渋「確かいつもここでウィンカー出すん忘れる言うてたやんな?」
錦「そそ!!ええ感じに路肩寄れてるし!」
いぇーい、と二人が手を鳴らす。
錦「あ、行きます??」
錦戸が『試験も終わりそうなんでそろそろ行きましょうか』というカンペを読み、席を立つ。
渋「行くかー。」
渋谷も合わせて席を立った。
*******
「少し判断が遅いとこもあったけど大部分は良かったで~」
「あ、ありがとうございます…」
一人一人、試験が終わる度に呼び出されて指摘を受ける。
前回はあの信号を行ってしまった時点で「失格です。そのまま学校に戻ってください」と言い渡されてしまい、失格を受けてそのまま学校に戻る道のりが辛かった。
けど今回はちゃんとここまで来て、しかも「大部分は良かった」とまで言ってもらえた。
それだけで泣きそう。
「ほんなら学校入って結果待っとってな。ほんであとでサインくれ」
「え、あ、はいw」
ほんとにお茶目な先生やなぁ…涙も引っ込んだわ
校舎に入るとすばやんと亮ちゃんが駆け寄ってきた。
錦「お疲れえ!」
渋「めっちゃ緊張してたやん!」
「してたしてた!けど前回の先生より気さくな人で怖い雰囲気はなかったよ!」
錦「言うてたなぁw今回イケるんとちゃう?!」
「と、思う!」
そそそ~~、と端に寄って話していると前に見覚えのある顔がいた。
「あっ!」
カメラ今回ってないし……
渋「ん?」
錦「どこ行くん」
「ちょっと待ってて!」
やっぱり!
「お久しぶりです~」
「わっ…!」
前、みんなで協力して問題を解いていこうっていう趣旨の講習を受けた時、わたしのことを知っててくれてた女の子がいた。
「もしかして今日受けてた?」
「あ!はい!」
錦「知り合い?」
わたしの後ろから亮ちゃんが声をかけてきた。
あ、あかん、亮ちゃんちょいコワモテやからにこやかにしてや。
「前、講習で一緒になってな、わたしらのこと知っててくれてん」
そう説明すると亮ちゃんの大きな目がもっと大きなった。