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8←1→8【KJ∞】

第3章 免許





安「バーベキューとかもええかもなぁ」

「でしょ?遠出とかさ?」

横「運転、代わりばんこで?」

「うん!」

村「それやったら今でもできるやん」

「できないよ!」

村「なんでや」

「だってわたし免許持ってないじゃん?」

錦「…ん?」

丸「あ、自分も運転したいってこと?」

「そう!だってみんなで行くのにわたしだけ運転できないって嫌じゃん?せっかくみんなでいるのに。わたしだけ運転しなかったら仲間はずれみたいで嫌やねん。それに、きついことはみんなで分け合いっこしよって約束したやん?」







霄の言葉に、メンバーが黙る。








そう、このグループで結成が決まってから、
デビュー前にもライヴをしていた。

その中で、やはり、男の子だらけの中に1人の女の子ということで批判が相次いだ。

批判の中でも、霄は負けることなく、歌い、踊り続けた。




しかし、ある日。
霄が泣き崩れている場面を安田が見つけた。
すぐにメンバーが集まり、話し合った。
メンバーそれぞれ、『霄と一緒にやってきたからこれからも一緒にやっていきたい』という気持ちがある反面、今まで一緒にやってきた仲間だからこそ、守ってやりたいという気持ちも強かった。
守るにはどうしてやったらいいか、グループから抜かした方がいいのか。
そんな話が出てきた時、横山が言った。






『もう悲しい気持ちも悔しい気持ちも隠さんでええ。泣きたい時は泣いたったらええ。無理していつも明るくおろうやなんて思わんでええ。
俺らグループやろ?いつだって霄の気持ち、聞いてやれるから。楽しい気持ち、悲しい気持ち、きついことやって、ぜーんぶ、みんなで分け合いっこしよや?』














「だからわたし、やるならぜーーんぶ、みんなと一緒にやりたい。」



そう言った霄の目は、あの時と変わらず、強い意思を宿し、曇りのない笑顔だった。


その笑顔に、反論するものは誰ひとりとしているはずがなかった。






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