第3章 免許
「あああああああっ!なるほど!!!」
一瞬の間を挟み、大声を上げ現状を把握したらしい霄。
渋「うるさいよ〜高瀬さんの耳がキーンなるでしょが」
「えっ!や、ごめんなさい!」
渋谷に言われ、まごつく霄。
高瀬さんは優しそうににこにことする。
村「ではね、早速始めて頂くんでどうぞあちらの方に」
と、教習車を指さす。
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渋「あれでしょ、学科ももうちょっとずつ受けてんねやろ?」
村「そうですね~」
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『じゃあまず席調節してください』
「はーい」
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渋「あ〜結構前なるなぁ」
村「ほんまやな」
渋「もうこんなやん」
ハンドルにベタァとくっつくポーズをする渋谷。
村「そこまでやないわwww」
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「アクセルどんぐらい踏んだらええんですか?」
『1センチくらい。かるーく』
ゆっくりとスピードが出る。
「ふぉおおお」
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村「ちなみにAT限定なんで」
渋「へぇ~」
村「やからあれですよ。クリープ現象」
渋「何やそれ」
村「アクセル踏んでなくてもゆっくり車が前に進むってやつですね」
渋「怪奇現象?」
村「ちゃうわwww」
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『今日は外周だけやりましょうね。身体が道の真ん中に来るように…』
「えっ!むっちゃ左寄りになりません?!」
『それくらいでいいんです』
道路のどこを通るのか、
そういった感覚をつけていく。
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安「霄~教習所、どない?」
「面白い!!」
安「ほんま?良かったやん。怖いとかなかったん?」
「怖くはあらへんのやけど…難しい」
安「そっか~」
錦「あっ!章ちゃん!あんまし霄と喋ってると犠牲者にされるで!!」
安田と霄が喋ってると、ダンス練していた錦戸が近づいてきた。
「なんなん!言葉悪いわ、亮ちゃん!」
霄がぶすーっとふくれっ面になる。
安「犠牲者ってあれ?最初に車乗せるひとのこと?」
錦「おん」
「みんなして犠牲者って言う~」