第3章 正夢リヴァイバル
「お待たせ!何分待ったー」
眠くないせいか、悪戯っ子のように僕らに問いかける
うん、疑問符がつかないから合ってるかわからないけど……
「数えてないからわかんないよ」
「ですよねー、なんか二人とも怖い顔してたよ。二人は仲良くね」
「うん、ありがとう」
失敗した、みたいな表情で僕らの先人を切る
元気付けようとしてくれたのかな?
「……美点であり汚点だよね」
「?」
「可哀想なくらい、人を気遣いすぎてる」
僕にそう言い残して、カルマ君は後ろを追った
可哀想……?
人を気遣うことが……?
「…………はぁ……もっとわかりやすくいってよ」
ため息を漏らしながら、僕も二人を追った
「そういえば、久しぶりだね。この三人で帰るのは。渚とはほぼ毎日帰ってるけど」
「最寄り駅までね。そこからは別だけど」
「俺と雪乃で帰ると互いに疲労困憊だもんねぇ」
「ほぼほぼ貴方のせいですが」
間宮さんがカルマ君を嫌ってるのは明白だ
この間の話でもそうだけど……悪くはないけど嫌ってはいる
悪人だとは思ってない
カルマ君の話だと、簡単に言えば猫を被られてるのが気に入らない
それが嫌い
二人とも、それ以外は嫌ってない
カルマ君に至っては間宮さんを可愛いとも認めてる
……つまりは、二人とも嫌いあっていない時間ができたとき
それは…………
「なーぎーさー、電車乗らないの」
「え、あ、ごめん!」
「大丈夫なの、考え事してるとこの人みたいな不良に絡まれるよ」
「指差すなよ」
「目潰し」
「はいはい大人しくしてようねー。公共交通機関で遊ぶんじゃないよ」
「撫でるな」
「………………」
それは、彼らが互いに、もしくはどちらかがどちらかの罪を許したとき
攻略対象が戦意を喪失したときだ