• テキストサイズ

【暗殺教室】君が好きになるまで

第1章 貴方が嫌い


綺麗に切り揃えられた前髪から覗く、灰色にも似た水色の瞳


それはしっかりと俺を捉えて……睨んでいた


変わんないな、半年くらいは経ってるだろうに……目線の高さすら変わんない


……それは俺自身の成長もあるせいか



「まーたフルネームだねぇ?呼びにくくない?」


「慣れたので、貴方の名前なんてそんな頻繁に呼びませんし」


「……あ、そう」



なんて可愛いげのない……と、そんなことこいつに求めても無駄かな


俺がこいつを嫌いなように、こいつも俺が嫌いなんだ


その理由は、未だに知らないけど……


止めるために掴んだ手を離し、からかうように告げる



「でもまぁ、久しぶりの再会なわけだし……甘い台詞でも掛けてあげようか?」


「わぁ、全然嬉しくない……ご遠慮願いまーす」



ブブー!という効果音が付きそうな両手でバツを作るポーズで嫌そうに顔を歪める


……こういうところは中学生なわけだ


「というか、貴方が私に甘い台詞?冗談でも言いたくないでしょ」


「なるほど、同感だ。でも……雪乃をどん底まで落とせるならやれるかもね」


「最悪ですね。何度も繰り返すようで悪いですけれど…………」



基本的な皮肉口調は敬語、それからいつものお決まりの変わらぬ五文字……




「私は"貴方が嫌い"なので、絶対に無理ですよ」




敬語じゃなかったときでも、表情が不機嫌じゃなかったときでも……この五文字だけは出会った当初から変わらなかった



だから俺も何でか対抗心ができたわけで……







「ほんと、言われなくても俺もあんたが嫌いだよ」







いつものような日常が始まってしまうんだ
/ 262ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp