第8章 期待値アンサー
「俺が岡島みたいなやつだったら渡してるかもねぇ……残念」
構えた銃口は互いを捉えていて
ここまで来たらもう私としては実力勝負になるのだとおもった
それから
実力勝負となると……
私個人戦ではこいつには敵わない
「避けないの?先に引けば勝ちだよ?」
「そっちもね。けど、先に撃ったら隙が生まれる……残念だけど射撃成績は雪乃の方が上だからね。避けられでもしたら俺の負けになる」
おお……わかってらっしゃる
「それに、雪乃は時間稼ぎも名目に動いてるんでしょ?俺が旗から離れるように…………」
「カルマほど面倒な人は居ないものね。貴方なら私を殺りに来るって……知ってたから」
唯一……私を否定した人間
それはすなわち
私の才能が効かないことだ
敵対したことがあるこの人だから
でも、私は端からそんなのわかってる
だから……
「……期待、応えてあげる。あの日言った通り…………」
一学期、あの場で応えると言った
私はね、貴方の期待は裏切らないよ
だから……
「ナイフ……?…………つっ……!」
「ちっ……!」
外れた……!
まだ投擲スキルはこんなものだったのか
投げたナイフを弾かれ
危険を察知したカルマが銃を蹴りあげる
一発目……はずしたのがまずったな
物理戦じゃ……部が悪い