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【暗殺教室】君が好きになるまで

第4章 真似っこミステリー


「はぁ……疲れたな」


今日は一人で帰ることにした

呟いた言葉に返事が返って来ないのは、そのせい


真っ直ぐ家に帰りたい気分だが、それは残念ながら成し得れない

今日は二人とも帰りが遅いから晩御飯の調達をしていかなくては


「……頑張ってるからね」


お仕事が忙しいのは仕方ない

私を育ててくれてるのだけで十分だ


コンビニに立ち寄り、サンドイッチと野菜ジュースを購入

甘いものも食べたくなるので、ついでにプリンも


そういえば、今日って新刊の発売日だったっけ

ついでにそれも買おう


思い立ったら行動……というより、後に回すのがめんどくさいのでまとめて本屋にも立ち寄った


家に帰ると案の定……真っ暗で誰も居ない

リビングの明かりをつけて、ご飯を食べながら新しい本を読む

半分くらい読んでから、私はお風呂のスイッチを入れに行った


「これ読み終わったらちょうど良いかな」


うん、読むのは早い方だし

お風呂入ったらプリンも食べよ


軽い予定を立てて再び本を読む



私の家での過ごし方なんて基本こんなものだ

自室にだって本棚が多い

家に居てもこんなことしかやってないから外に出ていることも多い


「………………」


本は好きだ

色んなことが載ってる

本のような主人公になんてなれないけど、憧れは抱ける

数多の場面展開に順応できる

感情を言葉で表現しきれるなんて本当にすごい


けど、それは結局本の中で、現実じゃない

現実味を帯びた本は……私の本棚の中には山ほどある


それは共通して、主人公が平凡な人間だということ

それであって、主人公は皆に好かれてる

私はそれになりたかった

平凡で、注目も集めず、かといって嫌われず……それが一番良いと思ってた


その思いは正しい

現状がそうだから

でも、自分が壊れてしまってはどうしようもない


ならどうする


答えは簡単だ






「……やめよう。平凡は自分のままでいい」







彼がそれを許した

それだけで、理由は十分だ
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