第2章 持続性スリープ
「……それを言うために私を付き合わしたの」
言い返すことができなかったから、でも嫌いな相手に負けたくないから、私はそうやって返した
「嫌いな理由を問われて、答えれないようならそれは自発的じゃないから同族嫌悪かもしれないけど、ちゃんと理由があるから。私には」
そうだ、ちゃんとある。似ているなんて少しも思ったことない
彼と私は基本から違う人間なんだ
「……ふーん、そうなんだ。俺はてっきりそうなのかと」
「違います」
「可愛くない……俺はあんたのそういうところが嫌いなのかもね」
「失礼極まりないですね。なら付き合わせないで」
「どうせ暇でしょ?」
「貴方と口論してる時点で相当暇人ですね」
いつものように始まってしまうこの会話になんだかこのときは安心した
嫌いだけど、あの悪夢みたいな彼の怖さがこの会話の時だけはないから