第4章 真似っこミステリー
渚との気まずさも、やっと薄れてきて……通常通りになった数日後
「どっか外で遊ばね?」
「じゃあ、釣りとかどう?」
「良いね、今だと何が釣れるの?」
杉野くん、カルマ、渚……そしてたまたま近くに居合わせて一緒に帰ることになった私
カルマ以外は半袖の夏服に衣替えもしている
「夏はヤンキーが旬なんだ。渚君を餌にカツアゲを釣って逆にお金を巻き上げよう」
「なんたる外道かつ非道な……」
「雪乃でも良いんだよ?」
「カルマ……流石に間宮を使うな。渚はともかく間宮は女子だぞ」
「なんだろう……静かに僕の餌役が確定した気がする」
そんなことはないはずだ、きっと
そんな会話をしながら歩いていると、聞き覚えのある声が呼ぶ
「お、杉野!」
呼ばれた杉野くんは一瞬顔を歪ませると、笑顔に変えて野球部に歩み寄っていった
……呼んだのは主将の進藤くんか
「間宮さんって野球部のマネージャー頼まれてなかったっけ?」
「断ったけどね。私もう他の部活入ってたし」
少し離れたところから杉野くんたちを眺め、観察する
……なんかだんだん野球部の表情変わってくな
呼び止めたのは……どういった理由なんだろうね
「……まぁ、わかりきってたことか」
小さく呟いて、杉野くんたちの方へ行くカルマに続いて足を動かした