第2章 想い
確かに誠の言う通り一理ある。
優菜は明らかに深琴くんが好きで、二年も想い続けてきた。
もし会うことになったら、その日はきっとすごく気合を入れてコーディネートをし、化粧だって頑張るだろう。
会話術だって身に付けてやってきそうものなのに、深琴くんが、なんとなく会ってみるって言うのはなかなか見過ごせない。
深琴くんは思案顔で何事か考えている。
くせっ毛のない、栗色の髪がふわりと暖房の風で少しだけなびいた。
「でも、会う、会わないの決定権は深琴くんにあるし、会わないよりは、どんな心持ちでも、会ってくれる方が優菜…私の友達だって嬉しいと思う」
深琴「…んー、じゃあさ」
そこで深琴くんはなにか考えるようにして、言う。
深琴「さんもついてきて。ついでに誠も」