第13章 目覚め
「ううん、大丈夫。それにー…」
少しだけ躊躇して。
「私、誠の、あーいう感じ、嫌いじゃないよ。その、なんていうか…むしろ、すき?」
最後が疑問形になってしまったとはいえ、思ったことをすんなりと言えた。
なんだか私は、急に恥ずかしくなって俯くといきなり頭をグシャグシャと撫でられた。
「きゃ!?」
乱れまくった髪とはいえ、そんなにめちゃくちゃにされると困るんだけど…。
私が片手で抑えるように髪の毛を梳くと誠が照れたようにぶっきらぼうにいう。
誠「ばーか。さっきの今でそんな煽んなよ…」
「っ…」
私はそんな彼を見てドキリとしながら、どこか儚いものを見る気分で思う。
きっと彼の恋人になる人はすごく大切にされるんだろうな…。
不器用な優しさが伝わって、私にはどこか心地が良かった。
「拓は?」
微妙な気分を拭うように聞くと誠はくい、とドアの向こうを指した。
誠「今紅茶入れてるよ。アールグレイが好きなんだろ?」
「!う、うん!」
なんで知ってるんだろう…
私話したことあったかな…?
そうして、拓が紅茶を部屋に運んできてくれると、やっと本題に入る。
「あの、なんで…ふたりは?」
やや言葉不足だったけれど、
ちゃんと意味は伝わったのかふたりはそれぼれ頷くと話し始めてくれた。