第4章 秘めごと
そしてちらりと私を見てから何でもないように話し始めた。
誠「俺ん家さ、母親いないんだよ」
「え…?」
誠「あー…いや、死んだとかじゃなくて母親が不倫して出ていったの」
「!そうなの…」
なんて答えたらいいのか分からなくて、結局相槌を打つだけにとどまってしまう。
誠「そっからなんとなく女が苦手でさ。それに、多分それは深琴も同じ」
「深琴くんは今も苦手なの?」
誠「…どーなんだろーなぁ」
曖昧な返事を返すと誠は私の頭に手を置いて、ポンポンと2回叩いた。
…これ以上は踏み込んで欲しくないってことなのかな。