第18章 一歩ずつ【妹尾匡】
無口な貴方が少し喋ったと思ったら、すぐに毒を吐く。
でも、そんな貴方が優しいと思ったのは付き合い出して2週間がたとうとしているこの頃。
菜々海「きゃあ!」
今日はタイム計測するということでコースの確認をしていた。
が、ギミックにつまずいた。
転ぶ!と思ったが…転んでいない。
さらに、体が浮いている。
思考か追いつかない…けど、その思考を働かせる声が上からふってきた。
匡「なにしとるんどすか?(イライラ)」
菜々海「コースの確認してました…。匡さん…。」
匡「ギミックに気づかへんって…。リレーショナーになる気あるんどすか?」
菜々海「あります!静馬さんみたいにはできない。けど!私だって西星スト部の一員です!」
地面に降ろされ、足がつく。
怖くて顔を上げることができない。
匡さん、絶対怒ってる…。
初めて匡さんに反抗してしまった…。
ため息が聞こえた。
そして、一言。
匡「顔、上げや。」
菜々海「うっ…。は、い…。た、すく、さん…?」
え?
今、何された?