第5章 風とキミ【久我恭介】
菜々海「楽しかったね。また、明日もあるけどさ。」
久我「また、戻ってきたんだな。」
菜々海「え?」
久我「この、方南スト部に帰ってきたんだ。」
菜々海「そうだよ。だからもう、どこにもいかないで…。ストライドをやる資格が無いなんてもう、言わないで。」
久我「あぁ。」
恭介はそっと私の頭を撫でた。
そして、風が吹く。
潮風。
磯の香りを漂わせて、吹く風。
その風になびく恭介の長い髪…。
見とれていると、恭介が急に振り向いた。
菜々海「っつ///」
久我「ありがとう、菜々海。」
そう恭介が言ったのと同時に優しいキスが降ってきた。
唇が離れたあと、2人で笑った。
そして、また…。
風が吹いた。
恭介を応援してるみたいな風。
恭介は風と一緒。
ふらりと現れたり、ふらりとどこかに行ったり。
そんなキミが大好きです。
方南スト部に戻ってきてくれてありがとう、恭介。
でも、お礼を言うのは私だけじゃないからね?
END