第2章 ~第二章~不器用な愛情
「えっと…どうしてここへ…?」
アランに手を引かれ、連れて来られた先には、ウィスタリアの城下町が広がっていた
アラン「ちょっと買い出しにな。ユヅキも何か見たい物があれば、適当に見ておけよ。俺は少し寄る場所があるから…じゃあ、また2時間後にここでな」
「えっ…ちょっと、アラン…!?」
そう言ってアランは私が引き留める間もなく、踵を返していった。
(どうしよう……)
困惑しながらも、城下町を見て回っていると果物を売っている店主に声を掛けられた
店主「これは、これは…プリンセスではありませんか!本日は、お一人で城下の視察ですか?」
「あっ…えぇ、まぁそんなところです。…ところで城下の皆さんは、何か困っていることはありませんか?」
店主「いえいえ、とんでもない…っ!!素敵な次期国王様と、プリンセスが頑張って下さるおかげでとても平和で助かっております。おかげでこんなに美味しい果物ができて…プリンセスも宜しければどうぞ」
そう言って店主は、とても綺麗なオレンジを袋いっぱいに詰めて渡してくれた