【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第6章 2次試験・中編
そう思うと身体が先に動いていた。
「えっ…」
壊れてしまいそうなリアの身体を、壊れるギリギリの強さで抱きしめた。
「あの…」
抵抗する素振りをせず、ただ冷静に声をかけた。
「無理しなくて良いから。
1人で全部背負わなくたって良い。
辛かったらいつでも頼って良いし、遠慮なく言ってね。
俺で良かったら話聞くから」
口が勝手に動いたみたいだった。
考えることなくスラスラと言葉を発していく。
「…苦しいですよ」
ツー…とリアの頬に伝った一筋の涙。
それを隠すかのように震えた声で苦笑した。
「ね、番号交換しようよ。
それならいつでも連絡取れるよ?」
俺が欲しいだけなのに、まるでリアの為だとでも言う言い方。
俺って狡いな。
「充電なかったんじゃないですか?」
「あ、やべ…」
忘れてた、と苦笑する。
「シャルナークさんって案外天然なんですね」
クスクスという小さな笑みが零れる。