【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第6章 2次試験・中編
何もせず身体を休めることが決まってから数分。
「この空間の時間経過速度はどうだ?」
「元通りのようです。
普段となんら変わりはありませんよ」
何もしない1日とはとても退屈で、とても長いのだ。
「充電ないから携帯も出来ないし俺結構暇なんだけど」
「たまにはこういうのも悪くないだろう」
そう言うと懐から本を取り出し、開いた。
なんのためらいもなくそれが出来るということはそれは念ではないのだろう。
身体を休めるのが先決。
この2人と共に行動するのは思っていた以上にハードだったので身体が少し疲弊している。
このまま警戒を続けるのは厳しい、か。
部屋の隅に腰を下ろすと、壁に身体を預けて目を瞑る。
すると自然と眠気が襲って来た。
普段ならば数日ぐらい寝なくとも平気だというのに…。
「…すぅ…」
自分の思っていた以上に身体を疲れている。
そういうことなのだろう。
「あれ、寝ちゃってるや」
「無防備な奴だな。
仮にも男が居るというのに」
呆れた様子でページをめくる。