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【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜

第5章 2次試験・前編


「その通りだ。

オレは主であるリアを救っただけだ。

貴様らはただその場に居た、それだけだ」


素っ気なく告げるものの、自分の存在を知っている者が居て嬉しいのか終始尻尾を振っている。


「それで?

君の牙にはなんの力があるの?」


「己の身体で試すか?」


キラリと牙が太陽の反射で光る。


「急がなくて良いのですか?

ここはどうやら日が沈まないみたいなので、正確な時間は分かりませんよ」


手を出されても困るので話を逸らす。


「そうだな。

急ぐぞ、シャル」


「はーい」


クロロさんは思っていたよりも遥かに頭が良いし回転も速い。


イトのような守護者について書かれている文献の類いは少なく、高値で売られているのだ。


読むだけでも一苦労の筈。


「リア、オレは戻るぞ」


「ええ、ありがとうございます」


お礼を聞くとイトは刀の中へと消えた。
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