【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第5章 2次試験・前編
「別に貴様らの為にやったのではないぞ!」
2人の顔を一瞥するとそう吐き捨てた。
「これって念じゃないの?」
シャーッ、と牙を剥き出しにして威嚇するイトを不思議そうに見つめるシャルナークさん。
「彼はこの刀を護る魔獣ですよ」
念ではありません、と言いそうになるのを慌てて堪える。
「ふーん、そうなんだ」
「絶滅危惧種、だな」
「人間の貴様に分かるのか?」
「前に文献で読んだ。
確か現在では1つしか存在を確認出来ていない、だったかな。
といっても持ち主は去年死んだがな。
守護者は気に入った持ち主に巡り会うと契約を交わし、刀を護ると同時に持ち主に尽くす。
契約は契約者が死ぬか契約を破棄するまで永久的に継続される。
守護者は大蛇の形をしているのが一般的でその牙は蛇によって違う能力を有する。
だったか?」