【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第5章 2次試験・前編
「シャル、今何時か分かるか?」
何を思ったのかクロロさんが不意に口を開いた。
「えーっとね…げ…」
画面を見るなり顔が強張った。
「どうかしたか?」
「ごめん、携帯の電池なくなってるや。
おっかしいなぁ、ちゃんと充電して来たのに」
納得のいかなそうな顔をして首を捻る。
私も自分の携帯で時刻を確認しようとすると。
「…私のも電源が入りません」
画面は真っ暗のまま何も反応しなかった。
携帯電話をほとんど使ってないからあまり減らない筈なのに。
「この島特有の現象か?」
「分からない。
けど、もしかしたらそれもあるかもね。
いくらなんでも切れるのが早過ぎるよ」
島の特性…?
この不可解な現象について調べたいけど、生憎と今日はそういう系の薬を用意していない。
念が使えれば話は別だけど。
薬を出すのも念を使うから、即失格になってしまう。