【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第5章 2次試験・前編
3つの実に器用に穴を開けた。
「はい、開いたよ」
何から何まで、本当に世話になりっぱなしだ。
「すみません…」
「気にしないでいいって!」
1人でなんでも出来なくては生きている価値がないのに。
水分を体内に入れると、行動を再開した。
「少しでも身体に異変が現れたら無理せず言えよ」
「勿論」
「分かりました」
自分の無力さに虫酸が走る。
こんな自分が情けなくて、嫌で嫌でしょうがない。
迷惑をかけっぱなしで、脚を引っ張り続けて、世話になりっぱなし。
私は…無力だ。
「どうしたの?
落ち込んでるみたいだけど」
「え?いえ…。
なんでもないですよ」
「そう?なら良いけど。
無理しないでね」
「ええ」
その優しさが今は辛い。