【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第5章 2次試験・前編
周りにはシゲシゲと草木が生い茂っている。
綺麗に整えられている訳ではなく四方八方に伸び放題だ。
大きな木もあり日陰も出来ているが、その木には何かが住んでいると考えた方が良いだろう。
害のある生物には蒸し暑さを好む傾向を持ったものが多い。
いつどこから襲って来るか分からない状態だ。
自分の身ぐらい自分で守らなくては。
「あ、少し止まっていただけますか?」
「どうかしたの?リア」
「水分の摂れる実を見つけたので採ろうかと」
木の枝先についている大きな木の実を見上げる。
ジャンプだけで届くかどうか、不安なところである。
念が使えないからね。
「あれか。
シャル、3つ程採れるか?」
「大丈夫だよ」
笑顔で頷くと木を駆け上がってしまった。
「凄い身体能力…」
己のそれとは比べものにならない。
ただただ唖然と見ているだけ。