【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第5章 2次試験・前編
試験中は念を使えないので薬は入る分だけを鞄に詰めてある。
首から提げるポシェットのようなものなので、あまり量は入らない。
けれど耐久性はそれなりにある。
よって少しの衝撃で中の瓶が割れることはまずないだろう。
「うわー…確かに暑いね」
夏の道へ脚を踏み入れてからわずか数分で、ツー…と汗が頬を伝う。
これに関しては予想外。
ここまで暑いとは思っていなかった。
長期戦になると厳しいですね。
「団長、急ごう」
「そうだな」
同じ考えのようだ。
「飛ばすか?」
チラリとこちらに目線を向ける。
着いて来れるのか、と問われているみたいだった。
「大丈夫、俺が連れて行くよ」
ヒョイッと軽々持ち上げられた。
「え?あの…」
俗に言うお姫様抱っこ、というやつだ。