【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第1章 異質な華
「ほっほっ、そう言うと思っとったわい」
ヒゲを撫でながら笑うネテロを、切れ長な漆黒の瞳で見つめる。
「どうじゃ?
ちと刺激のあることをせんか?」
その言葉に、緩やかな曲線を描いた睫毛が静かに瞬いた。
相手の顔をジッと見つめ、続きを催促する。
「ハンター試験の試験官をやらんか?」
突拍子のない言葉にリアの時が止まった。
「理由は…?」
真っ赤に彩られたふっくりとした唇が、精一杯の言葉を紡ぎ出した。
「ライセンスは持っておるじゃろ?」
予想通りの言葉に自信満々といった表情を浮かべる。
「元々お主をここに閉じ込めたのに深い意味はない。
ちょっとお灸をすえただけじゃ」
ハンターライセンスさえあれば、殺人は免責される。
「私の行為が度を超えたとでも仰るのですか?」
「ま、理由はそれで良いじゃろう。
とにかくお主は出所じゃ、今までご苦労じゃったのう」