【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第1章 異質な華
「お話が終わりましたら呼んでください。
誰も中に入れるな、とのことですので」
部屋の前に着くと看守はそう告げた。
私が脱獄する心配はしていないのですね。
それとも相手が相手だから逃げ出せない、と考えたのか。
ドアノブを捻り、扉を開ける。
ギィィ…と古びた音がした。
「来たかの」
シワがれた声が無機質な部屋に響く。
「なんの用でしょうか、ネテロさん」
我が物顔で向かいのイスに座る相手に尋ねた。
「まぁまぁ、そう警戒するでない。
お主もかけるといいぞ」
ネテロ。
ハンター協会会長であり心源流の師範。
「どうじゃ?ここの居心地は」
「可もなく不可もなく、といったところです。
あえて言うのであれば刺激が足りないですね」
毎日毎日同じことの繰り返し。
流石にそれでは飽きてしまう。