【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第27章 困惑
白々しい、なかったことにする気か。
その見え見えな嘘は、私の体温を着実に奪っていく。
「私はあなたとは組みません」
こんな相手には2度と引っかからない。
それに、ワタルと組まなくても今は私には大事な仲間が居る。
それだけで十分だ。
「交渉決裂か…悲しいよ。
だが…必ず手に入れる。
君を生かすも殺すも僕次第さ」
グイッと腕を引っ張られたかと思うと、唇が塞がれた。
「!」
嫌だ。
こんなこと…したくない。
ドンッと押し返したくても、男の力に勝てる筈もなく易々と封じられてしまう。
嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ。
シャル以外の人に触られているかと思うと、悪寒がする。
「ん…っ!」
固く閉じられていた入口を無理矢理こじ開けると、舌が侵入して来た。
こんな大衆の見ている前で、なんの躊躇いもなく。
嫌だ…嫌だ、こんなの。
口内を貪欲に貪り続ける舌が喉元まで達しら苦しくなる。
誰か…シャル…助けて…。