【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第4章 1次試験
言われた通り地下へ下りると、早く来過ぎたのか人はそこまで多くなかった。
「どうぞこれを。受験番号です」
ビーンズさんから受け取った二桁の数字の書かれたプレートを左胸につけた。
「87番…か」
さて、着いたのは良いけど空いた時間をどう潰そう。
ざっと見る限り今居る受験者の中に興味を引かれる人は皆無なので、読書をして暇を潰すことにした。
帯の中から出した掌サイズの本である。
読みかけのページを開くと。
「お。新顔だね」
話しかけて来る人が1人。
「ひょっとして初参加か?」
「ええ」
2度目よりも初参加の方が怪しまれないと思う。
この人は特に脅威になるとは思えないし、嘘をついても問題ないだろう。
「そうかそうか。
あ、俺はトンパだ。
何か分からないことがあったら、なんでも聞いてくれよ。
何せ俺は試験自体これで33回目なんだからよ」
ドン、と胸を張る。