【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第20章 暴走
「つまりフェイと同じ境遇な訳だ。
フェイも最初こそ荒れたからな。
だから同じ性質を持つフェイだけは身動きが出来る。
制御してやれる。
そういうことだろう」
「あやつは、 “ あのこと ” があって以来疑心暗鬼だからな。
人を頼ったり、甘えたり、弱音を吐くことはせん。
むしろ味方の為になら己を犠牲にすることを厭(イト)わぬ奴だ。
己の命など、排除すべきと考えれば排除してしまう奴だ」
「殺しが日常の一部ってことは分かるよ。
少なくとも俺らだってそうだから。
でもそれとこの暴走は関係あるの?」
いくらか落ち着きを取り戻したシャルナーク。
「さぁな。
そこの変化系の能力が怒って発動するように、リアは己の身に危険が生じると判断した場合に本来の戦闘技術を解放する。
己の意思に関係なくな。
2人の違いなど、それを能力にしているかしていないかぐらいだ」
「…あのこと、とは。
リアがあの時言った言葉に関係あるのか?」
「あの時の言葉?」