【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第2章 試しの門
そして異様な雰囲気を醸し出す部屋の前で立ち止まると。
コンコン。
「リア様がお着きになりました」
ノックをした。
「開いとるぞ」
中から聞こえたのは遥か歳上の男の声。
「ではごゆっくりと」
深々と頭を下げると、踵を返すゴトー。
「入りますね」
1言断ってからドアを引いた。
「おぉ、来たかの」
待っていたのは生涯現役、という目標を掲げる殺し屋ゼノだった。
「こちらが依頼されていた薬です。
代金は18億7604万8000ジェニーになります」
挨拶もそこそこに本題を切り出した。
「小切手でええかの?」
「勿論です」
「シルバのもわしが払っとくとするか。
あとで物々交換じゃ」
シルバ、というのはゼノさんの息子で同じく殺し屋である。
ゼノさんに似ず大柄な男だ。
「ほれ、いつもすまんの」
「仕事ですから。
また何かあれば連絡くださいね」
「なぜそう帰りを急ぐんじゃ。
せっかく来たんじゃから、ゆっくりしとったらええじゃろ」
と言われ、結局遅くまで残ることになってしまった。
この人はなんだか無下に扱えないんですよね。