第17章 報告

黒いコートを翻しながら歩いて行くクロロさん。


「団長は用心深い人なのよ。

仕事が終われば姿を消すし、行動する時は常に2人以上の団員と共に動くわ」


「冷静、技量、器、頭の回転、知識。

本当に様々なものを持ち合わせていますよね」


同じ人間なのか疑いたくなるぐらい完璧だ。


隙がまるでない。


「そうなの。

あたしも団長が取り乱してるとこ見たことないし。

というか見たくないかも」


「当たり前ね、シズク。

取り乱すのなんてシャルとノブナガ、フィンぐらいよ」


「フェイ、俺らが短気だとでも言いてェのか？」


「ほら、すぐ怒るね。

だからフィンは扱いやすいよ」


「てめー…」


「リアからも何か言てやると良いね」


「はい？」


そこでどうして私に振るの？


「怒らせてこれを乱せ。

敵の挑発に乗ってはいけない、とは言いますけど」


「ほら、ワタシ正論よ」


「〜〜‼︎」


悔しそうに拳を握った。