第16章 調査

「ワタシとお前、戦たらどちが強いか」


「それは十中八九フェイタンさんですよ。

基礎体力や戦闘能力では遠く及びません。

あなたは小細工を仕掛ける時間すらも充分に与えてはくれないでしょう？」


「当然ね。

そこまでワタシお人好しじゃないよ」


「分かってます」


「名前、なんて言たか？」


「リアです」


「覚えておくね」





「ごめん！遅くなって。

はい、3人分盗って来たよ」


「シャル…ワタシ子供と違うよ。

舐めてるか」


フェイタンさんのチケットだけ子供用になっていた。


「ちょうど盗ったのがそれだったんだよ。

大丈夫。

フェイなら誤魔化せるって」


「…あとで覚えておくね」


チッ、と不機嫌そうに舌打ちをした。


身長は私よりも少し小さいぐらい。


口元は黒い布で覆われているが、目だけで見ても童顔な方だろう。


どことなく影があるけど。


チケットを受付に通し、中へと入った。