第13章 表か裏か

「ホントに瞬間移動出来たよ！」


自分の下に居るフィンクスさんを横目に呑気に告げる。


「フィンクスをイメージしたのね？」


「うん」


「くそ…ちっとも気づかなかった…」


苦々しげに呟いた。


「へぇ…面白そうね。

ワタシもフィンで試してみたいよ」


「げ…」


「残念ですけど在庫切れです」


皆さんのやり取りを見ているだけで心が温かくなる。


「あ…。

そういえばさ、アジトに部屋の空きがないけどリアは誰の部屋で寝るの？」


「お、流石むっつり。

気づくとこが違うな、シャル」


「フィンクス！

誤解を招くような言い方しないでよっ」


「慌ててるところが益々怪しいね」


「フェイタンまで…」


「じゃああたしの部屋に来たら良いよ」


ニコッと屈折のない笑顔を向けるシズクさん。


「よろしくお願いします」


優しいシズクさんに思わず笑みが零れる。


「あら、笑うと可愛いじゃない」


「そんなことないですよ」