第9章 4次試験

「本当になんと言ったら良いか…。

お2人には脱帽ですよ」


これは降参だ。


「あ、そうだ。

俺からも１つ聞いて良い？」


「どうぞ」


「3次試験でリアが使ってた薬ってさ、ひょっとして魔薬？」


魔薬。


それは私の作る薬のこと。


高い効果を持ち、希少性の高い魔性の薬。


略して魔薬。


「そうですよ」


「へーっ、凄いね。

いくつぐらい持ってるの？」


と、目をキラキラ輝かせているシャル。


「興味あるんですか…？」


その瞳に映るのは単純なる “ 興味 ” だ。


利用しようという色は全くない。


「あ、まぁ…ね」


なんだか照れくさそうに頬を掻いた。


「一応一通りは持っていますよ」


作っている本人ですし。


「どうやって手に入れたの？

入手困難って聞くけど」


「それは内緒です」


ここで明かすにはリスクが大き過ぎる。