【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第8章 3次試験
「俺を絞め殺す気でもあるのか?」
ギュウッ、と身体に力を込める。
「だとしたら?」
「お前を殺して脱出するだけだな。
勿論、お前にその気があるのならな」
慌てた様子もなく冷静に告げた。
「ふっ…面白いな、人間」
口と共に拘束を緩める。
イトは時にこういう行動を起こして相手を品定めする。
「イト=ホワイトだ。
覚えておくと良い」
イトが自らの名をフルネームで名乗った。
それだけ気に入られたということか。
流石はクロロさんだ。
「クロロ=ルシルフルだ。
覚えてなくても、好きに呼んでも構わない」
ポカーンと呆気に取られているのはシャルだけ。
「…イイものを持ってるな」
イトは相手に触れることでその人のオーラを知ることが出来る。
その気になればオーラの絶対量すらも計れるのだという。
そしてこのイトの食料は生き物のオーラである。
オーラだけを食す時も、肉ごと食すこともある。