【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第8章 3次試験
巣の周りにはもう煙はない。
足下に落ちていた小石を拾い、プレート目掛けて投げた。
巣にも同じ毒の成分がないとも、まだ意識のある蜂が居ないとも限らないからだ。
小石は巣とプレートの間にもう当たり、プレートはそのまま落下した。
「これで10点」
強奪目的ならばじきに姿を現す筈だ。
しかし幾度待っても姿を現す気配はない。
「そろそろ姿を現してはくれませんか?」
焦れったいので、こちらから動くことにした。
「なーんだ、バレてたんだ。
流石だね、リア」
「よく気がついたな」
茂みから姿を現したのはシャルとクロロさんだった。
「なんの為に私をつけてたんです?」
「あはは、別に大した理由じゃないよ。
なんていうか、暇潰し?」
ほら、と10点のプレートを見せた。
「え、あのヒョウから奪ったんですか?」
私がつけられたのは開始からわずか数分後だから、その前に奪っていたことになる。