第2章 風邪っぴきさん
「あ、一松起きちゃった?ごめんね、チョロ松がうるさくて…」
「え!?ご、ごめん!!おそ松兄さんのせいだから!!全部おそ松兄さんのせいだから!!」
わたわたとすべてをおそ松のせいにするチョロ松を見ていると、やはり他の6つ子に比べたら普通には見えるが、やっぱりチョロ松もクズの一人なんだなぁ、と改めて感じた。
「…みんなは?」
掠れてはいるが、先程よりも声が出るのか、一松と会話ができた。
「あぁ、そういやみんないないね…うわ、もしかしたらご飯…」
一松に言われるまで気づかなかったが、辺りを見渡してみると一松とチョロ松、そして私しか居なかった。と、すれば。先程までお腹が空いたなど話していたので、台所に行って夕飯にしてもらうつもりだった肉じゃがなどを食い荒らされているかもしれない。
「ちょ、ちょっと台所行ってくる!!」
別に食い荒らされていても私は関係ないけど、あくまでも一応風邪を引いているのだから、夕飯などはちゃんと食べて栄養をとってもらいたい。
こんな時間…まだ3時だというのに、今お腹いっぱい食べてしまって夜中にお腹空いて、カップラーメン…なんて、病み上がりで食べてしまったら元も子もない。
唖然とするチョロ松と、苦しそうに息をしている一松を置いて私は台所へ向かうために階段を下った。
「やっぱり!!何勝手に食べてんの!?」
「うわ!!瑠璃!?」
台所に顔を出すと、やはり、おそ松十四松トド松が冷蔵庫の中を漁っていた。